おはようございます。
今日はとっても大事なお話です。
最終的に、神道というか、日本のお話になるのですが、
とりあえず、このお話を読む前に、今まで得た日本や神道、神社や信仰的な知識を、
すべて忘れてから、この一つの物語を読んでみて下さい。お願いします。
昔々、人々は村を作って暮らしていました。
みんなで協力して、作物を育て、収穫をし、その喜びを共にしていました。
そこには必ずリーダー的な存在がいて、いつも多くの人たちに頼られていました。
ある村も同じように、リーダーがいて、
種まきや、刈り入れの時期などの重要な時期もこの人に聞くといつも答えてくれます。
みんなこの人のことを頼もしいリーダーとして慕っていたのです。
ところが、このリーダーがとても信頼していた兄弟の1人が、大変な過ちを犯してしまいます。
なんと、人の命を殺めてしまったのです。
このリーダーは、兄弟の悪行は、自分の責任だと感じ、ひどく落ち込んでしまいます。
そして、ついにこれは死んで詫びる他にないと決意します。
一人山奥へと進み、誰もいない洞窟へとたどりつきます。そこで死を待つことにしたのです。
ところが、村の人たちはこのリーダーがいなくなったことで、大混乱になりました。
私たちはあのリーダーがいなくなったら、これから先どうすればいいのだろう・・・
皆が将来に不安を抱くようになり、村人全員で、リーダーに再び村に帰ってもらおうと誓いあったのです。
すると、全員でリーダーが身を隠す洞窟へ行き、再び村に帰ってくれるよう説得します。
そして、そっと一枚の「鏡」を手渡します。
そのリーダーはその鏡をじっと見つめます。
そこには自分の顔が映っています。
そしてもっともっとその鏡を見つめます。
すると、そこには、一つの「太陽のように光輝く一つの命」が映っていることに気が付きます。
そうです、自らこの命を終わらせようとしていたが、この命こそ何よりも大切なもの。だと悟ったのです。
そして、さらにそのリーダーは持っている鏡を「ひっくり返して」
廻りを囲んでいる村人たちの姿を映します。
すると、鏡には、自分の命とまったく同じ、「一つの命」が村人の数だけ映し出されました。
そこで、このリーダーは決意します。
再びこの村のリーダーになろう。
この村人たちから教えてもらった、「命が一番大事」という教えを中心に据えて、もっと良い村を作ろうと。
そして、この村はどんどん大きくなって行き、国となります。
「鏡」を用いてそこに映る命こそ一番大事という教えを、このリーダーは子々孫々に伝え、国を統治するように命じ、
この国は大変栄えていきました。
・・・・というお話です。
日本の神様はその「働き」がお名前になることがほとんどです。
「天照大御神」というのは、まさに「太陽のように光輝く神」という意味ですが、
それは何が光輝いているのかと言えば、まさに「命」だと私は思っています。
その「命」を一番大事にせよ。という教えを継承している
日本のトップリーダーが、
「天皇」なのです。
日本が神話の時代を入れれば約2700年、史実から言っても約1500年の長きにわたり、
一度も国が倒れたり、王朝が交代することがなかったのは、島国だったからとかそういう理由もあるかも知れませんが、
一番の理由は、「リーダーの大切なものが国民だったから」です。
他の国は違います、皇帝は自分が一番大事ですし、王様も自分が一番大事でした。
だから世界の皇帝や王様は、深い掘り、高い城壁、武器を四方に並べたお城や宮殿にお住まいだったのです。
ところが日本の天皇は違います。
京都の御所には、堀も城壁もありません。梯子を掛ければいつでも登れるくらいの低い塀をめぐらしているだけです。
なぜでしょう?答えは簡単です。襲われる心配がないからです。
現に御所に侵入して天皇の命を奪おうとした人間なんて誰一人もいなかったわけですから。
天皇・国民・国土この三つが揃って、初めて「日本」という国なのです。
そして、この国の「本当の国是」こそ、
何度も繰り返しますが、「命が一番大事」というものなのです。
つまり、「存在するもの」・「それ」の「ひとかけら」を大切にせよ。という教えだということです。
「存在するもの」・「それ」が「命」そのものであることを、日本人向けに神道という方法で説明するとこういう方法があるわけです。
参考になれば、幸いです。
それでは、また。