約100年ぶりに「疫病退散」のお札を刷りました。
おはようございます。
ご訪問ありがとうございます。
さて、さっそくですが、
私の奉仕しております神社にはたくさんの「版木」があります。
お札の版木や、江戸時代に使われた今で言えばパンフレットの版木なんかもあります。
今日はその中でも「疫神齋」というお札の版木のご紹介です。
この「疫神齋」というお札はズバリ「疫病退散」のお札です。
当社には2つ残されていて、2つとも年代が書かれていませんが、
私の予想では一つは江戸時代、もう一つは明治時代に作られたものと考えいます。
下の写真です。↓
このお札は「鎮花祭」と言って、ちょうど今頃の花が散る時期に行われるお祭りで配られる御札でした。当社でもこのお祭りを毎年奉仕していますが、このお札はもう配っておらず、版木だけが残されていました。
神社の諸神事について色々と細かく書いてある本を今見ていますが、鎮花祭が終わったら、氏子や崇敬者にこれを配布し、門戸に貼れば悪神(つまり疫病)がやって来ない。と書かれています。紙は神社によるが、紅色・縹色・黄色の紙を用い、文字は朱書とあります。
人類はこれまでの歴史の中で、様々な疫病に苦しめられてきました。日本も例外ではありません。古い話ですと、10代崇神天皇の御代には神を祀ることによって、その流行を抑えようとした記録が残されています。
或いは江戸末期には「麻疹(はしか)」が流行しましたが、その際には「麻疹絵」という浮世絵・錦絵が出回りました。よければ参考となるサイトのURLを下に貼っておきます。http://www.eisai.co.jp/museum/history/0700/sub0101.html
ということで、保存状態の良い方の版木を使って、恐らく100年(ひょっとしたらそれ以上)ぶりに、「疫神齋」のお札を刷ってみました。これ↓
いずれも同じものですが、ただ横と縦の2パターンで撮影しただけです。
私たちの祖先はこういう方法で、疫病という見えない敵とたたかってきたわけです。
このお札を刷っている時、改めて先人の思いを感じることができました。
日本のみならず、世界全体が苦しい今ですから、改めて疫病の歴史と、それと向かい合った先輩たちの歩みを振り返りましょう。
必ずこの国難を乗り切りましょう。
※一応確認ですが・・・
こういう写真をUPすると、このお札の写真を待ち受けにすると、コロナに罹らない。みたいなことをいかにも言い出しそうな神社や神職がいそうですが、それは絶対にありませんので、何卒ご承知おきください。
行政の指導に基づき、外出を自粛し、三密を避けることが有効な感染防止策です。
それでは今日はここまで。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。