神主からもお願い!麻の栽培
おはようございます。
ご訪問ありがとうございます。
今日は9月11日ですね。
ちょうど当時付き合っていた彼女と夜中電話していて、
テレビを点けたらとんでもないことになっていたのを鮮明に覚えています。
亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
妙にタイムリーなお話になってしまいそうなのですが・・・
今日のお話は「麻」です。
そう、あの「麻」。
というのも、日本に限ったことではありませんが、
いわゆる「霊力」があると信じられる植物というのは、世界各地あちこちにあります。
うろ覚えなのですが、台湾に行ったとき、
彼らは「竹」に対して、他の植物とは違った思いがあるようなことを聞きました。
竹の持つ強い生命力や、まっすぐ伸びる点、或いは色んなものに加工しやす事が要因しているのかなぁ~と思ったりしました。
或いは、南米のペルーやボリビアでは、「アヤワスカ」というつる植物を神聖視しています。というのもこの植物は、煮出してお茶にすると幻覚作用があって、シャーマンの導きによって、過去や未来(ビジョンと言うらしい)を見る事ができるそうです。なんとびっくりなことに、自分が精子だった時の事もわかるそうな・・・
日本でも特別な力のようなものを持つ植物はいくつかあって、私が子供の頃よく言われたのが、「ビワの種を庭に植えないように」というものでした。
ビワは梅雨前ごろにオレンジ色の美味しい実をつけますが、それを食べてプッと種を飛ばすとちゃんと芽が出ます。しかしこのビワの葉は非常に霊力が強くて、家の庭で、成長して大きな木になると「家を潰す」と言われてきました。現に呪いなどの際にはこのビワの葉を使って、その上に供物を置いたりするのです。
また柏の葉も霊力があると言われています。天照大御神の弟神である、素戔嗚尊は出雲の国の日御碕と言うところで最期を迎えたと言われています。その際に素戔嗚尊は「この柏の葉を空に放って落ちたところを私の隠れる場所(死に場所)にする)とやはり呪いをしています。そこは「隠ヶ丘」と呼ばれ、とても神聖な場所とされています。
しかしなんと言っても、日本において長い間、神聖視され、且つ重宝されたのが、「麻」でした。
私も神主になるまで、全然触れる機会が無かったのですが、神社に奉職するとこの麻は色んなところで出てきます。
神様へのお供えモノにもなりますし、玉串に付けたり、お札を縛ったり、お祓いの道具として使ったり、果ては慶弔時の熨斗袋の紐もこの麻を使います。
ただとにかく「高額」です。
500gの束で1万円以上します。
それも当然で作っている農家が本当に限られているからなのです。
それに麻を栽培するには行政からのお許しが必要で、勝手に誰でも彼でも栽培できないのです。
それこそ敗戦以前は、日本のあちこちで栽培され、神社以外にも、一般の人々の生活の場面でたくさん使われていたのです。(お調べください)
一つだけ例を挙げると、漁網があります。
特に海老を捉える網をこの麻で作っていました。しかし今は麻がないので、ナイロン製の網を使用しているそうです。そうするとナイロンはピカピカ光るので、海老が驚いてなかなかうまく網にかかってくれないそうです。漁師さんが嘆いていました。
日本では、このように色んな場面で、この麻が使われていましたが、敗戦後色々と法律が変わってしまい、今では非常に限定的にしか生産されていません。
また、たまにニュースなどで有名人らが使用して話題になる「大麻」と、古くから日本人が生活のために生産・使用してきた「苧麻(からむし)」とが混同され、ともに危険な薬物と言った印象が世間で広まっています。
確かに苧麻も「麻酔い」と言って、収穫時に少し酒に酔ったような症状が出る人も僅かにいるそうですが、いわゆる酩酊作用は微々たるものです。
嗜好用大麻というのは、その為に品種改良されたものなので、種類が全然違うのです。
外国からの輸入品もありますが、はっきり言って日本産とは品質が全然違います。
比べ物になりません。こんなにも違うのか!?と驚くほど違います。
日本の麻はどんなに強い力で引っ張っても切れません。
しかし輸入品はブツブツ切れます。全く使い物にならないのです・・・
不思議な生命力が宿る植物だから、神様へお供えしているのに、
あそこまで弱くてすぐボロボロになってしまっては、お供えする気にならないのです。
(一生懸命作っている外国の麻農家の方ごめんなさい。多分気候とかの問題だと思います)
ということで、本当にどうにかならないもんでしょうか??
従前某県で、特別に麻の栽培が許可されたというニュースがありましたが、後にその方が大麻使用で逮捕されたというネガティブなニュースがありました・・・。
麻の栽培は都道府県知事の許可があれば可能とのことですが、聞いた話ではどこかの神社庁が申し込んでも許可されなかったそうです。
(許可して何かあったらその知事の責任になるからとのことです)
神社庁がダメなら、
内務省外局神祇院の末裔!!!神社本庁が申し込んではいかがでしょう?
現場の神主は結構困っています。
むしろ、私、麻の神様をお祀りする神主兼、麻農家やりたいです。
何はともあれ、まずは国民がこの麻に対する正しい理解を身に付けることが先決かもしれませんね。
私ももっと理解を深めたいと思います。
では今日はここまで。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。