「仁」
おはようございます。
日本の本当の国是でも書きました通り、
この国はトップである天皇が大切にしたものが、
自分ではなく「国民」であるということがわかりました。
天照大御神と後に呼ばれる祖先が、周囲の神々から教わった、
「命こそ一番大事」という教えを、子々孫々に伝え、
その精神を中心に据えて国造りを進めていったのが今日の日本なのです。
この「命」とは、「存在するもの」・「それ」の「ひとかけら」です。
私たち人間は、一人残らず、この「存在するもの」・「それ」の「ひとかけら」を「命」としているのです。
地位・名誉・財産・出自・学歴・思想・信条・・・・そして肉体さえも、
すべて取っ払ってしまえば、残るのはこの「存在するもの」・「それ」の「ひとかけら」つまり「命」しかありません。
この世にいる人、結局すべての「持ち物」を捨ててしまえば、みんな同じ「同価値」なのです。
だからこそ、自分という存在を尊重することが大事ですし、
そして、相手も同じように尊重することが大事なわけです。
だって同じ素晴らしい存在なのですから。
日本の天皇は、その事を祖先から教わっていましたし、
この精神こそ、日本の中心に据えるべき精神だと理解しています。
その表れの一つが
「御名」です。
御歴代の天皇・男性皇族の御名前・諱には、「仁」の文字が使われることが多いです。
今上陛下は
徳仁(なるひと)
上皇陛下は
明仁(あきひと)
昭和天皇は
裕仁(ひろひと)
大正天皇は
嘉仁(よしひと)
明治天皇は
睦仁(むつひと)
孝明天皇は
統仁(おさひと)
例外はありますが、平安時代から、天皇や男性皇族はこの「仁」の文字を通字としてきました。
なぜでしょう??
とても簡単です。
「それが一番大事だからです」
この「仁」の持つ意味が、日本のトップに立つものとして、一番大事だから継承しておられるのです。
ではこの「仁」の持つ意味とはなんでしょう?
「自他を区別せず、相手を思いやる」ということです。
「仁」の文字は「人が二人並んでいる」様子を表した漢字です。
天皇ともう一人の他者(つまり国民)が相対した時、
天皇は、自分が天皇だからとか、地位があるからだとか、それを区別することなく、
相手のことを思いやる。つまり相手を尊重する。ということだと考えられます。
どうでしょう?
最初に記した通り、自分と相手の「命」を尊重することが、この国の根本精神であることがより理解できたと思います。
この精神を歴代の天皇・皇族は御名前に受け継ぎ、ご自分のお名前を見る度、書く度に、それを再確認なさっているのです。
私たちも同じです。
日本のやり方で、この「存在するもの」・「それ」の特徴である、「統合」を理解していきましょう。
私はそのお手伝いを今後もして行きたいと思います。
それではまた。