『神主の遺言』

それぞれが「本当の私」と出会い、精神的な苦しみから脱して、自分らしい人生を送れるヒントを語ります。

「日本の祭り」を深掘り

おはようございます。

ご訪問ありがとうございます。

せっかくのお休みなのに、各種イベントが中止で残念ですね。

 

 

さて

ということで、今日はそんな各地で中止になっている神社のお祭りについてのお話。

東京区部の特に東部の神社は5月~6月にかけてがお祭りシーズンです。(例外はあります)もう既にほとんどの神社が祭りの大幅縮小や延期を決定しています。正式発表の決定時期や発表方法はそれぞれの神社によって異なるので、ご確認下さい。

 

お祭りや神事の中止や縮小は東京に限ったことではなく、

先日は三重県桑名市の多度大社の「馬上神事」の中止が発表されました。

なななんと、中止は実に400年ぶり。あの織田信長の長島一向一揆平定の際に、神社が焼き討ちにあった以来の事だそうです。

 

そんな各地で伝わるお祭りですが、

なぜこんなに続くのでしょう。その理由については、

以前にこのブログでも語っていますが、また改めて語りたいと思います。

 

 

 

お祭りというのは、神社によっても異なりますが、

それを行う「信仰上の理由」というものがだいたいあるものです。

例えば主な産業が「農業」である地域の鎮守様のお祭りの目的が「大漁」なわけありません。普通に考えれば「豊作」とか「虫よけ」とかでしょう。

或いは、神社のご祭神そのものが、例えば「疫病退散」の御神徳を持っている場合、その祭りも疫病を抑えることを願う祭りになる場合があります。

八坂神社・祇園社などの「天王祭・祇園祭」はまさに「疫病退散」のお祭りですね。

 

昔の人は、こうした「信仰上の理由」を大なり小なり念頭に置きながら祭りを行っていたと思います。

しかしそれだけでは今日までこれほどたくさんの祭りが日本に残っていないと思います。「他の理由」があるのです。

 

 

神社の神主をやっていると、色んな方から声を掛けられます。

その中でも、お祭りの時期になると、祭りを見学に来られた方に、

「みなさん(祭りの参加者の事)伝統をちゃんと守っていてスゴイですねぇ」

と言わることがたまにあります。

 

しかし、残念??かどうかは別として、お祭り当日に集まる、何万人というお祭りの参加者の内「このお祭りという伝統を後世に伝えよう!」と思って祭りに参加している人は恐らくほぼ「0人」でしょう(笑)

また、例えば私が奉仕する神社であれば「大漁満足」や「海上安全」というのが、先ほど挙げた祭りの主たる「信仰上の理由」ではありますが、最早完全に都市化して漁業・海運関係者はごくごく僅かです。

 

ところが、祭りはちゃんと、そして盛大に、行われています。

なぜでしょう??

実は答えは非常にシンプルなのです。

ズバリ!

 

「かっこいいから」

 

です。

もう少しこの言葉を掘り下げると、

「男性性に魅了されるから」になります。

日本の祭りは例外を除いて、非常に男性的です。

簡単な言い方をすれば「男らしさ」が祭りの期間に増大化します。

この「男性性」というのは何も男性に限った「特性」ではありません。

女性でも「男性性」をちゃんと有しています(その逆も然りです。)

 

祭りの期間中は、男はより男らしく、女も男らしくなるのです。

皆が一斉に「男性性」という「特性」を祭りの期間中に引き出すということによって、

「みんな一緒」

という感覚が生じます。

それを人間は「楽しい」と認識するのです。

祭りが今日まで各地で継承されている「他の理由」はこれなのです。

 

私はこれを「神振統合」(かみふりとうごう)と呼んでいます。

お祭りの「神振り行事」を契機として、

日頃はバラバラの個人が一時的に纏まる=統合する。という意味です。

 

これは非常に「気持ちがいいもの」とも言えます。

ですから変な言い方になりますが、

お祭りというのは、人によっては麻薬的な中毒性を覚えるという訳です。

 

とは言え、祭りは先に挙げたように、これを行う第一義の理由である「信仰上の理由」というのがちゃんと存在します。

ですから、個人的なお願いになりますが、お祭りに参加する場合は、その祭りの主催となる神社へ参拝し、また神輿などに対しても拝礼して頂ければと思います。

その上で、思いっきり祭りを楽しんで欲しいなと思います。

 

とにかく、現今こうした状況ですので、

祭りを楽しむにも開催されない訳ですが、

そんな時にこそ、祭り目的をここでもう一度確認しておきたいと思います。

 

 

 

それでは今日はここまで。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。