『神主の遺言』

それぞれが「本当の私」と出会い、精神的な苦しみから脱して、自分らしい人生を送れるヒントを語ります。

神様を見る方法

こんにちは。

ご訪問ありがとうございます。

 

 

さて、

皆さんは、神様の姿を見たことがあるでしょうか?

私はありません。

ただ、人によっては見たことがあるという人もいて、

私が奉仕する神社の神様の姿や声を聞いたという方もいるんです。

 

とは言え、こうしたケースは稀で、ほとんどの人が

神様のお姿を見るというのはなかなかないと思います。

しかし・・・

私はいつもこの時期になると思うことがありますので、

今日はそのお話を致します。

 

都会に住んでいると、あまり意識しませんが、

今あちこちで「刈り入れ」の時期ですね。

本州では5月~6月くらいに「田植え」を行って、

手間暇かけて育てた稲をいよいよ刈り取るのが、だいたいこの時期になります。

 

刈り取った稲はしばらく乾燥させないといけないので、

田んぼの畔などに、刈り取った稲がうずたかく積まれている光景を見ることがありますが、

これは農家の方が稲束を抱えて、行ったり来たりしながら積んでいるのです。

 

日本の各地には本当にたくさんの「稲荷神社」があります。

ご祭神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)などと言われる神様がご祭神です。

五穀豊穣・産業の発展を導いて下さる神様として信仰されています。

その神様を私たちは「稲荷」(イナリ)とお呼びしているわけです。

 

もう勘の鋭い方はお気づきだと思います。

稲を荷(にな)う姿に神様を見たということです。

私たちの祖先は、食物や産業を司る尊い神様と、

一生懸命に働いき、稲を荷っている人の姿に重ねたのです。

それだけお米を作り、収穫するということが、尊いことだと考えられてきたんだと思います。

 

聞いた話ですが、

ある日本人が外国の方を家に招いたそうです。

その外国人が、壁に掛けてあるポスターを見てこう言ったそうです。

「なんで農夫なんかが映っているカレンダーを使っているんだ?」と・・・

そして・・・

「この方が日本のエンペラー(天皇)だ!」と答えたそうです。

そのカレンダーは毎年発行されている「皇室カレンダー」で、

たまたまたその時の写真が、陛下が皇居で毎年なさっている御稲刈りの御姿を映したものだったのです。

 

外国の方は本当に驚かれたそうです。日本は天皇が農業をするのかと・・・

この人の国に限ったことではありませんが、農業というのは卑しい人がするものであるという考えがあるそうです。

しかし日本では、国のトップが・・・

 

(少し難しいですが、祝詞の一節です)

手肱(たなひじ)に水沫(みなわ)画垂(かきたり)

向股(むかもも)に泥(ひじ)画寄(かきよせ)て

(意訳)

両手・腕に水や泡を滴らせ

両足で泥をかき寄せて

 

お米を作る国というわけです。

そんな日本の在り方に外国の方もびっくりされたのだと思います。

 

お米に限らず、人々の「働く」という行為そのものが尊いのです。

仕事と出産が罰として与えられたと考える西欧と大きく異なる点でしょう。

主婦だって、家庭を守り、子供がいれば子供を育てるという尊い仕事です。

つまり、私たち一人ひとりが、それぞれの本分を尽くし、

自他の幸せを願いながら働き、生きる姿そのものが、まさに「神の似姿」である。

と私は思います。

 

日本人が持つこうした価値観をこれからも大事にしていきたいと思います。

そして、こうした価値観がこれからの日本・世界を救うを信じています。

 

 

それでは今日はここまで。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。